テレビなどで狭小住宅が取り上げられ、間取りでいかに工夫するかといった番組が出てくるほどとなった。「狭小住宅バブル」と言うらしい。ちょっと昔のバブル期にも地価高騰で仕方なく狭小住宅にする建て主が増えていたことを思い出す。
階数を増やし中二階などいろいろな工夫で少しでも広く住みやすそうな家をどう作るか、今も昔も似たようなことを考えているようだ。幸いにも地方では土地はまだ安いのでひょろひょろな薄っぺらい家にお目にかかることは少ない。
関係ない自分は「そんなものにとんでもない金をかけて借金するくらいなら、地方へ移住して普通の家に住みたい。」と考える。最近の都内ではまた数億の億ションが増えている。楽に払えるお金持ちなら何も言うことはないが、庶民が無理に背伸びして手を出すと無駄な人生を過ごすことになるだろう。
私が知っている狭小住宅は当時もテレビでも取り上げられ「こんな素晴らしい工夫をした家がある」と言われていたが、今は空き家になって2軒を1軒にして使われている。今見ると無駄な金をかけ時間をつぶした工夫だった。家というのは長い年月を過ごすもの。その時間の中で使い方使われ方が変わっていくものだ。
人は年齢を重ねると足が弱り2階へさえも足が遠のく。狭い階段で3階や4階へ登らないと生活できない家に住み続けられるのだろうか。子供も成長して巣立っていく。いろいろな趣味を持つことで物も増えていく。今は「すごいすごーい!」と住んでいても10年20年後にはお荷物になるような家なのでは?
そういえば昨夜の番組で、車庫の一方の壁を無くして、「これをコンチレバーと呼ぶ」とか言っていたが、私が知る限りそんな名称はない。昔から構造力学にはカンチレバー(cantilever)という片持ち梁構造があるが、いい加減な建築家に監修させた番組なんだろう。今どきの建築屋はほとんど構造力学を学ばずに学校を出ているのだから。そんないい加減な連中に煽られて家を建てると後悔するのは必至だ。
狭小住宅 #狭小住宅バブル #コンチレバーって笑える